晩秋の尾瀬 テントを担いで歩きたい 前編
また、テントを担いで山を
歩きたくなってきた。
どこに行こうか地図を眺める。
あまり高いところはもはや極寒か?
雪も降り始めているだろうな、きっと。
尾瀬はどうか。
きちんと歩いたことがなかったな。
観光ついでにちょろっと散歩をしたことは
あったけど。
当然なにも知らずにただただ歩いた。
なので、よく知らない場所でもあった。
早速リサーチ。
尾瀬は湿地を散策する木道を歩くだけでは
なく、東西に日本百名山となる山がそびえて
いるではないか。
テント泊も出来るのかな。
調べてみると、今年は紅葉が遅れている
らしく、いくつかの山小屋さんは当初の予定
より1週間ほど営業を延長されていてテント泊
もできるらしい。
駐車場から登山口までのシャトルバスも
同じく営業が延長されているようだ。
行ってみるか。
相棒のミステリーランチにギアを詰めていく。
営業状況を問い合わせたときに
「夜はかなり冷え込むようになってきたので、
防寒は十分になさってください」
と、アドバイスを頂いた。
というか、脅された??
夏の装備に加えて、
エアマット、ダウンジャケット、
ダウンパンツ、シュラフはモンベルダウン
ハガー800 #2を詰め込む。
山小屋さんは営業を延長しているとはいっても
素泊まりのみのところも多数。
ということは、昼の食事は期待できないかな?
2泊3日分の食料もすべて詰めると結構な
重さになってしまったが
ゆっくりと歩けば大丈夫だろう、きっと。
登山口は鳩待峠とした。
本当は大清水から入って鳩待峠までの
反時計回りとしたかった。
その方が効率よく歩けそうだったので。
しかし、唯一予約が必要な尾瀬沼ヒュッテの
テント場の空きと自分の休みの都合を合わせる
とどうしても時計回りにせざるを得なかった。
ま、いいかと思いながら予定を立てた。
出発前日、仕事帰りに寄った書店で見かけた
ガイドブックに、
至仏山と山ノ鼻間の登山道は登り専用、、、
と。
なに??
山と高原地図を購入し、家に帰って慌てて
調べなおす。
急勾配の為、登り下りのすれ違い時に
登山道を外れ、高山植物群へ踏み込んで
しまうことが多く、保護のためにそうして
いるらしい。
ヤマレコで登山計画を作っているときにうまく
ルート設定ができなかったのはこういう理由か。
やるな、ヤマレコ。
こっちは素人なんだから理由も表示して
欲しかったが、、、
なおさら反時計回りでの周回にしたいところ
だが、どうしようもない。
鳩待峠から至仏山をピストンし、山ノ鼻へ
下るルートに変更する。
となると時間もかかる。
一番早いシャトルバスに乗ろう、
戸倉発 AM7:50。
前日は雨だったこともあり、戸倉第一
駐車場は随分と空いていた。
バスの時間までゆっくりと準備をする。
チケットを買ってバスに乗り込む。
最初のマイクロバスはもう満員だ。
そのため、時間を待たずに出発してくれた。
戸倉から鳩待峠までの道中、外を眺めていると
紅葉が素晴らしい事!
おや? もうこの標高まで下りてきてしまって
いるのか。
上はあまり期待できないな などと思いながら
バスに揺られた。
バスを降りるとほとんどの方は
尾瀬ヶ原、山ノ鼻方面に歩いて行かれる。
至仏山方面へ行くのは僕だけ??
尾瀬ヶ原散策は当然として、やはり至仏山の
日帰り登山の方々も山ノ鼻からの反時計回りの
周回のようだ。 そうだろうな、、、、
誰もいない山道を行くことになったので
熊鈴を装備する。
背負ったミステリーランチは結構な重さだが
30分もすると、その重さが気にならなくなる
から不思議だ。
このザック、後つけのポケットとか
ボトルホルダーなどと合わせて2.5Kgある。
流行りのUL系ザックからすると約1.8Kgも重い。
情報を集めるたびにUL系ザックが欲しくて
たまらなくなるのだが、このミステリーランチ
でいままでに一度も肩や腰が痛くなった
ことはない。
そして歩いているうちに重さも感じなくなるの
だから、今の僕に必要なのはこれを背負い
歩き続けられる体力なのだ。
あとは、上手な歩き方、体の使い方と
ペース配分か。
それが出来るようになってからULザックは検討
しようと自分に言い聞かせているのである。
でも、やっぱり欲しい、、、
昨日、山頂は雪が降った様子。
しかも風がかなり強かった??
霧氷も随分と育っていること。
山頂までの道。
頂上付近は大きな岩がゴロゴロ。
またこれが滑るのなんの。
本当に気を付けながら歩かないと。
辿り着いた頂上からは明日に歩く予定の
尾瀬ヶ原と、その先に燧ヶ岳が一望できた。
素晴らしい景色にしばらくの間、
見とれていた。
燧ヶ岳、ちょっと遠くないか?
と不安にもなったが。
鳩待峠まで戻り、さらに尾瀬ヶ原方面へ
下ると終わりかけではあるが、
素晴らしい紅葉が待っていた。
尾瀬ヶ原まではずっと木道がつづくのだが、
所により滑るので慎重にいかねばならない
けれど、この景色のなか下を見ては
いられない。
が、紅葉を見上げながらのんびりと歩くなんて
ことも出来ない。
木道を確かめながら歩いては立ち止まり、
紅葉を楽しんでは進む。
ずっとモノクロだった僕の心も彩られて
いくようだった。
この日これまで、数組のハイカーさんとしか
出会わなかったが、この辺りから登ってくる
方々が増えてきた。
最終日や日帰りの皆さんか。
「こんにちは~!」
こちらは気分が乗っているのでテンション高く
声をかけるが、登ってくる皆さんは
もうお疲れの様子。
無理もない。
そちらは結構な登りですからね。
登山道とは違った趣の道を楽しんでいると
至仏山荘に到着した。
どうやら今夜のテント泊は僕だけのようだ。
夕方の時点で結構気温が下がっている。
ビールを飲みたかったが体温が下がると
眠れないからな、、、
この夜は暖かな食事とスープだけで我慢を
することとした。
つづく。
ハイキングは楽しい。
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